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新型インフルエンザの感染者を出した国を見ていくと、イスラム圏がまだ一つもありません。
はじめはブタがほとんど居ないからだろうと思いましたが、問題はヒトからヒトへの感染なので、ブタの介在はもはや関係ないはず。
ブタとの接触機会が少ないであろうイスラム圏の人々は、感染機会があったならむしろ罹りやすいのではないかと思う。
一つの考え方として、イスラム圏の人々の移動が少なく、感染者との接触可能性が低いのかも知れない。


イスラム圏ではブタを不浄なモノとして食すことを禁じている。
またインドではそれとは真逆の理由でウシを食わない。
食に関する一連のタブーは宗教に起因するモノだが、これは何ら根拠のあるモノではない。
しかし、それが生き残ってきたのはそれなりの理由がある。
ブタが嫌われたのはその雑食性。ヒトと同じモノを食べるので食料の少ない地域では飼えないと言う問題がある。(あるいは今回のような人畜共通感染症のように衛生上の理由もある)
ウシに限らず畜産は人間の食べられない草を食用として利用できる効果があり、食料生産性をアップする。
また大型家畜は労働力としても使える。
今に残る宗教的禁忌の多くは人口増加を抑制する方向に働いているモノが多い。
前工業化時代には無制限の人口増加は社会を崩壊させるからだ。
ただし産業革命はそうした限界をうち破ってしまう。
世界規模の感染症流行も地球規模で見れば人口調整機能が働いた結果であるが、それと自分自身(あるいは身の回りの人間)が感染症で死ぬことはまた別である。

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