良くあるパターンですが、この手の陰謀史観では初めに結論ありきで自説に都合のいい情報しか書かれていません。
しかし良く読めば状況証拠ばかりで何ら具体的な物的証拠もありません。
いくつかの陰謀論を強引に結びつけた為に却って信憑性が損なわれています。
吉宗が忍者だったかも知れない、と言うところまでは納得出来ますが、これを真田幸村と結びつける部分が強引で説明不足。
状況証拠として提示されているのが、真田親子の配流地九度山が紀州にあったと言うだけ。
幸村は天下を取った家康が大阪湾を押さえることを読んでいた、と言いますが、徳川の一門が紀州を領する事まで計算通りというのではあまりに都合が良すぎます。
しかも頼宣は初め家康の隠居領である駿河を与えられるはずだったのだから。
まさか頼宣が紀州へ移されたのも真田の陰謀だったとでも言うつもりでしょうか。
と言う訳で同名の文庫ではなく、これに先駆けて書かれていた小説版の方を紹介しておきます。
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