「国境なき医師団」の活動は紛れもなく善意の発露である。
しかしそれは本当に世界の為になるだろうか。
いわゆる先進諸国では近代文明の発展に伴って医療を初めとする様々な社会的な生活条件が改善される事で死亡率が劇的に下がり平均寿命が延びる。
それと平行して、生活水準が一定水準を超えると、社会は保守化して出産に対して積極的でなくなる。
これが少子高齢化社会への過程なのだが、後進国では劣悪な医療レベルが改善する事で死亡率が改善され、しかし生活水準が伴わない為に出生率が高いままという不均衡が起こる。
これが人口爆発をもたらした。
つまり医療水準だけが突出して改善する事は、却ってその国の社会体制を不安定化させてしまうかも知れないのだ。
善意から発した行動が時に悪をもたらす事がある。逆に悪意から発した行動が結果として善を生む事もある。
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